8月21日(土)にオープン後初のイベント、アーティストトーク『淺井裕介と野生の灯火』を実施しました!
現在、LIGHT UP LOBBYのギャラリーにて画家 淺井裕介さんの個展『野生の灯火』を開催中ということで、今回のトークイベントを実施する運びになりました。(個展の開催期間は9/18までとなります。)
イベントでは、下積み時代の経験やこれまでのプロジェクトを通じて形成されてきた淺井さんの作品づくりに対する考えを中心に語っていただきました。高校時代の恩師の方も参加いただき、アーティストを本格的に目指し始めた頃の貴重なエピソードも飛び出しました。
トークの中で特に印象に残ったエピソードをご紹介したいと思います。
■可能性を秘めた素材、マスキングテープ
淺井さんはマスキングテープを使った『マスキングプラント』を制作されています。マスキングテープを好んで使われる理由として、「現実を忘れつつも、現実的な実行力が高い」という点をあげられていました。
マスキングテープは貼ってもすぐ剥がしやすい。なので、キャンバスとして決められた空間からはみ出した作品を作っていって、もし問題が起きたとしても、剥がすことができるので交渉の余地が広がるし、本当にダメならすぐに剥がせばよいし、そのままOKになることもあると。
マスキングテープの「貼っても剥がしやすく跡も残りにくい」という特性が、創造性を広げることにつながっているのですね。
■その場にいる人が関わることで“自然な”作品になる
屋外の大規模なプロジェクトでは、友人や訪れた人の共同作業も交えて制作されるケースもある淺井さん。淺井さんご自身が近くで見ている人に「やって欲しい」と思い、近くで見ている人も「やりたくなる」瞬間があり、そうして近くで見ている人が関わった方が“自然な”作品になるそうです。
制作過程でのご自身や周りの人の気持ちの変化を絶妙にとらえることで、その瞬間ならでは作品が生まれていると感じました。
今回のイベントには、淺井さんの公開制作に参加したことをきっかけに、新たな創作活動に挑戦されている方も参加してくださいました。自然発生的な創作意欲だからこそ、公開制作の場だけにとどまらず広がっていっているのかもしれません。
■「作る」と「破壊」はセット
作品制作において行き詰ってきたとき、一番気に入っている部分を大胆に「壊す」ことで、当初描いていたものとは全く違うけれどもきちんと完成することがあるそうです。遠慮して壊すと「作る」スピードが却って遅くなってしまうし、そもそも言いたいこと/伝えるべきものがどこにあるか薄まってしまう、作品とはよくできたものを見せるのではなく他者にとっても自己にとっても未知の領域に踏み込んでいくもの、頑張って作ってきたものを壊す勇気をどこまで持てるかが大事。
芸術作品に限らず、日々の仕事も手直しを繰り返して完成に近づけていくものかと思います。たまには勇気を出して、根幹部分を思い切って見直してみるのも必要かもと気づかされました。
そしてLIGHT UP LOBBYも想いを馳せました。
今回の淺井さんのお話から、LIGHT UP LOBBYがどんな場なのかを伝える表現のヒントをいただいた気がします。
LIGHT UP LOBBYは府中での新しい暮らし方・働き方を応援する場です。「何か始めてみたいなぁ」と思っている方がチャレンジできる場の提供やサポートをしていきます。
新しいことを始めるのには勇気がいりますよね…でも「自分はこういうひと」と思いこんでいる部分を壊してみると、意外な良い面が出てくるかもしれません。
また、始めたいことがまだない方も、LIGHT UP LOBBYで何か始めている人と出会うことで、始めたい気持ちが自然と芽生えてくるかも…
もし失敗しても、マスキングテープのように剝がしたり貼りなおしたりすれば良し。そんないい意味での気軽さもある場所にしていけたらと思います。
LIGHT UP LOBBYでは9月以降も様々なイベントを予定しています。詳細情報は、ホームページやFacebookのイベントページやPeatix、店頭などで配布しているチラシでご確認いただけます。
日々のコワーキングスペースやシェアキッチン、カフェエリアのご利用からイベントへのご参加まで、皆さまのお越しをお待ちしています!